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いい建物をつくるために知ってもらいたいこと。
家を建てるのはほとんどの人が始めての経験な上に人生で1度の大きな買い物です。 後悔しない、満足のいくものが建てられるように、建築業界について少しお話します。
一時期話題になっていた欠陥住宅。
欠陥住宅は、なぜ出来てしまうのでしょうか? それは、手抜きの図面(指示書)と図面通りにちゃんと工事が行われているかチェックをする監理が、 ずさんであることに加えて、利益追求型の施工業者が工事を請け負った場合に起こります。 裏を返せば、きちんとした図面と徹底した監理、信頼のできる施工業者に工事してもらえば、 欠陥住宅は出来ませんし、希望に叶った建物ができるといえるでしょう。 あくまで目安ですが、アーキテクツパークが一つの物件に作成する図面の平均枚数は、 A2サイズで約40枚~60枚です。これに対して、A3サイズで3枚~5枚で済ませてしまう同業者もいます。 しかし、ほとんどの人が設計に詳しくないので、手抜きに気づかないのが現状です。
建築家や設計事務所に頼むと高くつくと思っていませんか。 しかし、それはブランドとしての値段ではありません。 建築の設計業務は、「どこまでやるか?」で値段が決まってきます。 デザインやプランだけなら、安く済むし、詳細な図面やきちんとした監理まで、 行う場合には、設計料としての値段は上がります。 ところが、建物を造るためには、誰かが詳細な図面を描いて誰かが監理をしなくてはなりません。 結局、建築家や設計事務所に頼まなくても、施工業者が図面を書いて監理しているので、 施工費に上乗せされているのです。
当社に頼んで頂ければ、設計料はサービスです!設計、監理、施工すべてまとめて○○○○円! これは、上手いカラクリです。 まず、施工業者が普通に図面を書いたら、当然自分の会社の利益でるようにしか書きません。 そして、悪質な場合は多額の利益を求めて、安い材料や安い施工方法、そして材料メーカーなどから、 そのメーカーの材料を指定することで、バックマージンを貰っている場合もあります。 そのようにして利益を出すからこそ、設計料をサービスできるのです。 また、施工業者が現場の監理をする場合、工事の途中でミスがあっても、やり直すと利益が出ないからと、 そのミスに蓋をしてごまかしてしまうケースもあります。 それが、小さいミスか大きな欠陥かはその業者にしか分からないのです。 もちろん、きちんとやっている業者もたくさんあるかと思いますが、それを見分けることは困難なのが現状です。
この予算で、こんなものを造りたい。と言ったとき、「それは出来ません。」 さも、物理的に不可能とばかりに言われても、あきらめるのは早いです。 あまりに現実離れしていれば、話は別ですが、意外と他の業者に言ってみると、 出来てしまうことが多々あります。 日本には、本当にたくさんの建築業者があります。 その中で得意とする分野はそれぞれ違います。ですから、業界への知識と情報量、 そして粘りで(笑)不可能と思われることが可能になる場合もあるのです。
希望のデザインや機能を限られた中で収めるために必要なものは、 充分な打ち合わせと知識と経験、そして共にいい建物を造ろうという「心」です。 まずは、実際使う人の希望や意見をきちんと聞き、充分打ち合わせすることが大切です。 次に、それを現実化するためには設計者は、さまざま材料や方法を知っていなければなりませんし、 人に聞いたり、勉強したり、業者に値段交渉したりといった事も必要です。 工事中は現場に赴き、職人さんにいい仕事をしてもらう努力も欠かせません。 本当にいい建物をつくろう、この気持ちの積み重ねで希望は実現するのです。
ようやく建物ができました。これで終わりでは、ありません。 これから、毎日そこで暮らし、その建物と共に、5年、10年と年月を重ねていくのです。 どんなに完璧と思っても、使ってみて初めて分かることはたくさんあります。 そして、建物の老朽化は避けられません。 そう、建物にはアフターケアが必要なのです。
将来、せっかく建てた家で悩まないために、今からできることがあります。 歳を重ねるにつれて、家のあり方も変わってきます。 例えば、子供が成長した、歳をとった、という時に最初からある程度それを見越した、設計が必要になってきます。 また、5年後。10年後には、修繕費でいくらくらい必要なのか事前に知らせてもらうと安心です。 そして、設計者が、使い始めて出てきた不具合を相談できる相手であるかどうかもとても大切なのでは、ないでしょうか。
そこで48合同会社としては。
できれば設計業務と監理業務の両方を請け負わせていただき、 弁護士同様に建て主の代弁者として 建て主の利益を守りたいと考えています。
設計については
まず、建て主の要望を全て高次元で満たすことが当然のハードルです。 次に、建物や空間の心地よさ、使い勝手、メンテナンスに対する配慮、等の質を高められるようプロの目から見たわれわれ独自のハードルを設けています。 そしてこれを実現するためにできる限りの事前打ち合わせと説明を繰り返します。
「普通はこうだから建て主に相談しなくてもこれでいいだろう」という常識を捨てて、 できるだけ「ここはこうなりますけどよろしいですか?」と御説明いたします。 医療の現場では今や常識になっているインフォームドコンセントを建築の業界でも実行すべきだと考えています。
お互いが納得いくまで話し合いましょう。
監理については
まず、建て主、設計者、施工者間の連絡を密に取り合い情報を共有するという所から全てがスタートします。 些細なことの連絡ミスが後で感情のもつれを招くことはよくあります。
基本的に週1度の現場での定例会議を開き、その都度ご報告し、 できれば月に1度は建て主にも御参加いただいた総合会議を設けたいと考えています。 その他必要に応じて施工者と打ち合わせを行い指示を出します。
工事に突入してから様々な理由から仕様が変わることは良くあることです。 ここでもインフォームドコンセントが重要です。 施工した後での事後承諾はお互い嫌な気持ちになりますものね。
設計しただけでは建物はたちません。 能力のある現場監督1人だけが頑張っても、もちろんいい建物はたちません。 いろいろな人の協力をもらって初めて竣工というゴールまでたどり着けるのです。 そこには建て主も含まれています。
1人だけでいくら頑張ってもいい建築はできないのです。
どんなことにも共通して言えますが、人を動かすのはその人の熱意と心だと思っています。 そのために、できるだけ現場に足を運び、監督さんや多くの職人さんと直接話をするよう心がけています。